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07.08 青森で墜落のヘリコプター:JA9755 遠い過去のインシデント
 一昨日の「07.06 青森でヘリコプターが墜落か?」・・で、ブログをご覧になられた方から貴重な情報をいただきましたので、今回の事故との因果関係は全く不明ではありますが、ご参考までに掲載いたします。

航空事故調査報告書概要
1988/10/25発生 アエロスパシアル式AS350B型JA9755 
大阪府八尾空港


▼航空事故調査の経過

 航空事故の概要
 尾上商事所属アエロスパシアル式AS350B型(回転翼航空機)JA9755は、
昭和63年10月25日14時00分ごろ、八尾空港内滑走路13の進入端脇の草地
でホバリング・オートローテイション・ランディングの訓練中、ハード・ランディン
グし、機体を損傷した。
 同機には操縦教員及び練習生が搭乗していたが、死傷者はなかった。

▼認定した事実

 飛行の経過
 JA9755は、限定変更訓練のため、昭和63年10月25日、操縦教員及び練
習生が搭乗し、12時35分に八尾空港を離陸した。
 同機は、12時00分ごろ2名の整備士により飛行前点検を受けたが、異常は認め
られなかった。

 操縦教員、練習生及び他社機の整備士の口述によれば、
 当日の訓練予定科目はエアワークとタッチ・アンド・ゴーであったが、当日は視程
が悪かったため、予定していたエアワークの訓練は実施せずにタッチ・アンド・ゴー
の訓練を主体に実施した。
 タッチ・アンド・ゴー訓練終了後、同機を八尾空港のランディング・エリアからホ
バリング・タクシーで滑走路13進入端脇の草地へ移動し、ホバリングの訓練を実施
した。
 スクウェア・パターン等の訓練を実施した後、練習生にとっては同機は初めての訓
練項目であるI.G.E.ホバリング(注1参照)時のオートロテイション・ランディン
グ(以下「ホバー・オートロテイション」という。)を実施したが、操縦教員がフュ
ーエル・フロー・コントロール・レバー(以下「F.F.C.レバー」という。)をアイ
ドル側へ操作した際、(写真1参照)に、当該ホバリング高度においては、通常はエ
ンジン出力の低下に応じて上方へ操作すべきコレクティブ・ピッチ・レバー(以下「
ピッチ・レバー」という。)を練習生が下方へ押し下げたために、機体が沈下して草
地にハード・ランディングし、機体を損傷した。このとき、操縦教員及び練習生は、
機体に異常な振動はなく、各種計器指示も正常であり、また、各種注意灯等も点灯し
ていなかったので、同機の損傷に気付かず、その後2回にわたりホバー・オートロテ
イションの訓練を実施した。第2回目は良好にランディングしたが、第3回目に再び
練習生がピッチレバーの下げ操作を行おうとしたので、操縦教員は練習生に対して注
意を促し、ランディングは良好に行われた。同機が訓練を実施していた地点の南約5
0メートルの同空港内エプロンで他社機の出発に立ち会っていた整備士が、最初のホ
バー・オートロテイション実施後、同機のテール・ブームにバックリングが発生して
いることに気が付いたので、同機に合図を送った。
 同機は、同整備士の合図に気付かず、更に2回のホバー・オートロテイションの訓
練を実施した。第3回目のホバー・オートロテイション実施後、合図に気が付いた同
機の機長は、即座に飛行を中止した。
とのことであった。

 B滑走路は事故発生時から17時10分まで閉鎖された。
 事故発生時刻は14時00分ごろであった。
 (注1) 地面効果内におけるホバリング

▼事実を認定した理由

 解 析
 操縦教員(機長)及び練習生は、適法な資格を有し、所定の航空身体検査に合格し
ていた。

 JA9755は、有効な耐空証明を有し、所定の整備及び点検が行われていた。

 調査の結果から、事故発生まで同機に異常はなかったものと推定される。

 事故当時の気象は、事故に関連はなかったものと認められる。

 同機が、ホバー・オートロテイション訓練の際にハード・ランディングしたのは、
操縦教員がF.F.C.レバーを絞った際、当該高度では練習生はエンジン出力の低下に
応じてピッチ・レバーを引き上げるべきところを押し下げたために同機は揚力を失い、
落下したものと推定される。

 操縦教員が練習生に同機では初めてのホバー・オートロテイションを実施させたこ
とは、練習生の同機における訓練が15時間を順調に経過し、また、総飛行時間も1,
180時間と経験豊富であり、他機種では、今回実施の高度(4フィート)よりも高
い高度(10フィート)からのホバー・オートロテイションの経験もあることから、
問題はないと判断したことによるものと推定される。

 操縦教員がF.F.C.レバーをアイドル側に操作した際に、練習生がピッチ・レバー
を押し下げたのは、同機では初めての訓練項目に緊張したことにより、引いていた腕
が無意識のうちに伸びてピッチ・レバーを押し下げてしまったこと、又はO.G.E.ホ
バリング(注2参照)時にエンジンが故障した場合の手順と混同したこと等の理由が
考えられるが、これを明らかにすることはできなかった。
(注2) 地面効果外におけるホバリング

 操縦教員が練習生のピッチ・レバー下げ操作を阻止できなかったのは、F.F.C.レ
バーを操作する際に、ピッチ・レバーが練習生によって過度に引き上げられないよう
に上から手を添えていたこと、及びピッチ・レバーが押し下げられることが操縦教員
の過去の経験から全く予想に反する行為であったことによるものと推定される。

▼原 因

 本事故の原因は、I.G.E.ホバリング・オートローテイション・ランディング
の訓練時に、フューエル・フロー・コントロール・レバーをアイドルに絞った際、当
該ホバリング高度ではエンジン出力の低下に応じてピッチ・レバーを引き上げるべき
ところを、押し下げたことによるものと推定される。

▼参考事項

 当該機の飛行規程では、I.G.Eホバリング・オートローテイション・ランディング
について、以下のように規定されている。
[飛行規程(昭和59年4月27日 航空局承認済)]
 第3章 非常操作(抜粋) 
 1.オートローテーション着陸
  A. I.G.E.ホバリング中に、ENGINEが故障した場合の着陸
    − コレクティブ・ピッチを下げてはならない。
    − 揺れをコントロールする。
    − コレクティブ・ピッチを上げてクッション着陸する。
    − 接地後、直ちにコレクティブ・ピッチを上げる。


公表年月日/報告書番号
 平成元年3月24日 航空事故調査報告書 89−1


Aircraft Accident in Japan by SAKUMA Mitsuo/Former Aircraft accident investigator of M.L.I.T.

 ・・このインシデントで、テール・ブームにバックリングが発生したことから機体には相当大きな衝撃が加わったことは容易に推測されますが、当然のことながら、その後機体は完全に修理されたことと思います。
 が、何か今回の墜落事故と因果関係があるのでしょうかね?

 しかし、F.F.C.レバーをアイドル側に操作すれば機体は即座に沈下しますし、いくらGrand effectがあるとは言え、コレクティブ・ピッチを下げる操作は全く不必要なはずです。
 機体が沈下すると同時にコレクティブを上げ、左足でヘディングを一定に保持すべきところでしょうが、コレクティブを押し下げてしまう操作は地面への激突を意味します。
 当時の訓練生は、何を勘違いしたのでしょうか・・?

 ・・未だ、乗員、乗客の4名の方が発見に至らず、非常に気がかりです。
【2008/07/08 00:34】 | 航空 | トラックバック(0) | コメント(0)
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   壁紙の画像は私がフライトした際に撮影したものです。
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1アマ局(学科試験5問、欧文60文字/和文50文字の昭和60年に取得)
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